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乳酸菌

【連載:乳酸菌の話(2)】食物アレルギーについて

4)アレルギー反応が起きる仕組み

アレルギー反応が起きるメカニズムは以下の通りです。

  1. 特定のアレルゲンが体の中に侵入すると、体は外界からの侵入者を察知します。
  2. 免疫細胞の司令塔パトロールチームのマクロファージは、細菌や異物を食べて、その情報を顆粒球やリンパ球に伝えます。
  3. 知らせを受けた顆粒球は、主に細菌類を飲み込んで処理をします。自然免疫では細菌を退治した後は顆粒球自身も死滅、病原菌と戦った証として傷口が膿んだり風邪の終盤に黄緑色の鼻水が出たりするのです。
  4. 免疫システムは、まず「自然免疫」が体内に侵入した異物に対して攻撃を仕掛け、それでも撃退できない場合は「獲得免疫」が出動するという“2段構え”を講じています。両者は密接な連携プレーであらゆる状況に対応します。
  5. 獲得免疫については、異物を排除しようと体が反応した時、ヘルパーT細胞からもらった情報をもとに抗体を産生するという働きを持つB細胞が、アレルゲンに反応するIgE抗体※を産生してアレルゲンを除こうとします。しかし、B細胞単独では、IgEを作ることはできません。そこでアレルゲンに反応する白血球のヘルパーT細胞はそれを捕まえるための武器(抗体)を作るようB細胞に指令を出します。
  6. そしてIgEは、皮膚・腸粘膜・気管支粘膜・鼻粘膜・結膜などに流れていき、アレルゲンを攻撃するための化学物質をため込んだ「マスト細胞(肥満細胞:免疫系の重要な細胞であり、全身に存在)」と結合し、アレルゲンを待ちます。(この状態を「感作」と言い、アレルギー反応はまだ起こりません。)
  7. 再び侵入してきたアレルゲンが、マスト細胞にくっついた抗体と結合すると(抗原抗体反応)、その情報が細胞内に伝わり、マスト細胞が壊れて、その中のヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。これらの化学物質は、平滑筋を収縮させる作用を持つほか、毛細血管の拡張や神経を刺激する作用、粘液の分泌を促進する作用を持つため、結果として、くしゃみ、鼻水、かゆみなどのアレルギー反応が起こるのです。

なお、IgEを産生するヘルパーT細胞には、1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)の2種類があります。B細胞のIgE作りを促進するのが「Th2」で、IgEの作りを抑制するのが「Th1」です。

本来はこの2つの働きはバランスよく行われるはずなのですが、アレルゲンが入ってきたことで過剰反応をしてしまうと、「Th2」の働きが「Th1」より強くなり、「Th1」「Th2」のバランスが悪くなります。
その結果、IgEが増え過ぎてしまい、アレルギー症状が酷くなります。アレルギー症状を緩和させるためにはヘルパーT細胞の働きを強めバランスをとる必要があります。

※IgEとは(出典:アレルギー総合ガイドライン2013)

  • 気道、消化管粘膜、それらの所属リンパ節に存在するB細胞が産生する、免疫グロブリンというたんぱく質の一種。
  • 皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞の表面にアンテナのように張りめぐらされており、種々のアレルギー病態の形成に関与している。
  • 寄生虫感染においても出現することが知られている。

5)食物アレルギー

食物アレルギーにより引き起こされる症状

  • アナフィナキシーとは

「アレルゲン等の侵入により、複数臓器(皮膚や粘膜系、呼吸器系、循環器系、消化器系、神経系)に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」と定義しています。

  • アナフィラキシーショックとは
    「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」をいい、最悪の場合は心肺停止に陥ることもあります。(食物アレルギー診療ガイドライン2016)。
    アナフィラキシーショックは、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器など複数臓器に全身性に症状があらわれ、血圧の低下や意識障害などを引き起こします。非常に危険な状態になることもあります。

6)即時型食物アレルギー反応と遅発型食物アレルギー反応

アレルギー反応が起きる仕組みⅥのとおりですが、食物アレルギー反応には即時型と遅発型(非即時型)があります。

即時型食物アレルギー反応とは

  • IgE抗体が関与、マスト細胞から化学物質伝達(ヒスタミン等)が放出され様々なアレルギー症状が引き起こされます。
  • 食物アレルギーの多くは即時的であり、概ね原因となる食物を摂取してから12時間以内にアレルギー反応を認めます。
  • 即時型食物アレルギー反応の疾患は、花粉症、気管支喘息、突発的な下痢、アナフィラキシー、などです。

遅発型食物アレルギー反応とは

  • IgG抗体が関与、遅発型のため原因の特定が困難なアレルギー。腸壁のバリア機能の破綻(リーキーガット症候群:和訳すると「漏れやすい腸」であり、本来必要のない有害物質や病原菌などが腸のバリア機能を抜け体内に入ること)が考えられます 。
  • 原因となる食物を摂取してからアレルギー反応を認めるまで、数時間から数週間を経過することがあります。
  • 遅発型食物アレルギー反応の疾患は、接触性皮膚炎、慢性疲労、頭痛、肌荒れ、にきび、などです。

7)アレルギー疾患増加の原因

アレルギー患者の増加には環境要因と生活習慣が大きく関わっています。環境要因とは排ガスによる汚染や有害物質の増加、ストレス社会など、生活習慣では欧米化した食生活や化学物質を多く含んだ製品の増加、不規則な生活が挙げられます。

このように住環境やライフスタイルが変化したことがアレルギー患者数の増加の原因の一つとして考えられています。

また、アレルギー人口の増加傾向を説明するものとして、「衛生仮説」が挙げられます。「衛生仮説」とは、清潔な環境下では感染症が減るかわりに免疫系が鍛えられないために、免疫のバランスがくずれアレルゲンに過剰反応しやすくなり、アレルギーの発症が多くなるという説です。

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