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【発酵】滋賀県高島市発酵リアルテーマパークの視察

針江

発酵の魅力 滋賀県高島市
(豊かな自然資源と食文化)

この度、ご縁(機会)があって、まさに発酵縁日で繋がった縁で発酵の街と言われる滋賀県高島市を訪れた。

高島市は、びわ湖の北西に位置し三方を山に囲まれ、滋賀県湖西地域で最大の安曇川を中心とした幾つもの美しい川がつくる扇状地。
そこには日本でも珍しい水と発酵の文化があります。比良山系からびわ湖に流れる潤沢な美しい湧き水があり、年間を通じて湿度が高く発酵に適した気候と風土。昔から日本海の若狭から鯖街道や塩街道を通って京都へ運ぶ道中で保存健康食として発酵により息ずいてきた街、びわ湖で採れる魚や近くの山で採れる農産物により豊かな食文化が育まれた街、であることが容易にうかがえます。

また、近江高島駅周辺は、織田信長が安土城の対岸を抑えるために築城させたという大溝城跡がある城下町として高島商人(近江商人の先人)が繁栄させ、町割り水路など、約400年もの歴史の面影を感じることができます。

そのような場所で、古くから鮒ずしが生まれ、醤油、日本酒、お酢、味噌、等発酵食の数々が造られています。

では、今回見てきた場所の一部を紹介しましょう。

 

針江の「川端(かばた)」

滋賀県高島市新旭町針江、この地域は、比良山系に降った雪、雨が伏流水となり各家庭から非常にきれいな水が至るところにコンコンと湧き出ています。この集落の人は、自噴する清らかな水を飲料や炊事といった日常生活に使っています。(針江 生水の郷より)
そこでは、鯉や梅花藻の美しい情景も見る事ができます。
究極のエコ生活、美しい景色、地域とのふれあい、がそこにはあります。

梅花藻清らかな美しい水が流れています。清流にのみ育つ梅花藻を見る事ができます。

針江 生水の郷針江の川端(かばた)、いたる所で水が自噴しています。

高島の水車街には水車も。

 

古良慕(コラボ)

高島市には夜に到着したため、先ずは古民家再生の発酵食で迎えてくださいました。
京都の祇園で割烹料理を営んでいた島村義典がつくる野菜をふんだんに使った御食事。
ごはんは、おくどはん(かまど)で炊いたもの。

古良慕は、びわ湖に群生する葭(よし)を屋根に葺く葭商を生業とする島村葭商店が100年以上かけて収集してきた古材、古建具、近江水屋箪笥などの民藝品、さらには滋賀県を中心に構築してきた業界、人と人とのネットワークが集まる場所、つまり島村葭商店の集大成として息ずいている場だそうです(古良慕HPより)。

喫茶スペースにある薪ストーブの裸火も素敵でしたが、奥にある島村葭商店収集物のお宝には驚き。

古良慕(コラボ)古良慕(コラボ)

 

天空の棚田

急峻な傾斜地に階段状につくられた美しい景観の「天空の棚田」は、滋賀県内で唯一「日本棚田百選」に選ばれた畑地区にあります。
いまや海外でも有名になっている気さくな澤井おばあちゃんにもお会いでき、畑漬けを見せて頂いた。

この畑漬け、漬けたあと1日に2~3回は必ずまめに混ぜ、5日ほどしてやっと味がなれて美味しく食べられるようになるそうです。また、重石が重すぎても漬物がつぶれて固くなってしまうそうです。ぬかみそ漬けなら一日に一回、比べて畑漬けは手間がかかりますが、きっとこの「手間」が味を決める大切な要素なんだと思います。

畑漬けは、かつておばあちゃんは販売を試みたこともあったようですが、発酵が進むのが早く、真空パックなどにいれても袋がパンパンに膨らみ日持ちがしないため、結果的に現地以外では販売していないようです。

当然、ここでは畑の肥料は鶏糞や有機肥料を使い、水は山から引いている山水を使っています。

天空の棚田澄んだ空気に空が青い。絵に描いたような青い空の原風景がここにあります。
NHK連続ドラマ「スカーレット」の一部撮影もここで行ったとの噂。

澤井おばあちゃんの畑漬けサービス精神旺盛の澤井おばあちゃんが、わざわざ畑漬けを見せてくれた。感謝!

 

上原酒造

「不老泉」で有名な上原酒造は、日本の原風景が残る湧き水めぐる水の街高島市の新旭エリア。
針江の地下水脈の美味しい水で造るお酒は絶品間違いなし。

今では高島市に酒蔵は5軒しかないという。

ここ上原酒造のこだわりは、

  • 自社精米(品種に応じた精米率をコンピュータ制御)
  • 山廃仕込み(蔵付き天然酵母の活用、酵母添加を一切しない)
  • 天秤しぼり(圧縮機を使わず美味しい所だけを酒にする)

針江のきれいな水に、木槽天秤しぼり、極寒手造り山廃仕込、山廃純米吟醸、と聞くと贅沢感は否めない。

上原酒造黒塀の佇まいが、歴史ある昔ながらの酒蔵を思わせる。

上原酒造山廃仕込み、天秤しぼり、等お酒ができるまでの工程を見る事ができる。

上原酒造きれいな湧き水は、酒蔵で直接採取できる。ここで、美味しい湧き水も飲めます。

 

岩佐醤油(マルイ醤油)

140年以上の歴史を持つ岩佐商店は、ここ高島市の風土に育まれ、昔と変わらぬ天然醸造桶仕込みで発酵・熟成を繰り返して造っています。出来上がった醤油は、味・香り・コクのすべてが発酵そのもの、旨味が深くまろやかな風味が特徴です。

その工程と熱い思いを岩佐代表が丁寧にご説明して下さりました。

岩佐醤油(マルイ醤油)大豆から醤油ができるまで、いくつもの工程と気をつけるべき温度湿度等を教えて頂きました。

岩佐醤油(マルイ醤油)この木桶の中で、発酵・熟成を繰り返す。作業には、温度と湿度とタイミングにより仕上がりに差が出るため、非常に気を遣うようだ。

 

天空のそば(在原の業平園)

マタギの池田さんが経営する知る人ぞ知るそばとジビエ料理のお店。

滋賀県高島市マキノ町の山奥にひっそり佇むお店は、すべて天然で自然のもの。マタギの池田さんが捕ってきた鹿や猪、川魚、採ってきたキノコや野菜たち。お店自体も自身で建てた手作り小屋という、こだわりよう。

そばは10割蕎麦、だしは香り豊かな高原椎茸。ジビエは池田さんの150kg近い猪を仕留めた映像とかも特別に見せて頂き、感動。

ここ在原という地域は、平安時代の歌人在原業平(小倉百人一首「ちはやふる―――」で有名な)が晩年を過ごしたと伝えられる場所。
その豊かな自然の恵みを使った昔のままの素朴な味に非日常空間での食事、さらに感動した。

在原の業平園手作り感満載です。

在原の業平園お店の中の様子、池田さんが捕った猪と熊の剥製もありました。

メタセコイア並木この見事なメタセコイヤ並木道を山の方へ進んでいく

 

ルヴァン

「暮らしを醸す、食と人に出逢う場所」というコンセプトのカフェ。

「ルヴァン」の名前の由来は、「パンの発酵に欠かせない天然酵母=種」を意味し、このお店が種となり新たなものを生み出し育てる場になりたい、という願いがこもっているという。

湖西の風土が産する食材や木材、傍にある自然を生かし伝えていく、そんな作り手たちと共に、持続可能な豊かな時間を紡ぐこと。
地場建設会社が地元の木材を使い、釘を使わず、奇をてらわない、素朴で丈夫に、建屋から家具まで制作したもの。

食事も地域産の食材を使ったシンプルで身体に優しい「食」。
穏やかな広大なびわ湖の風景と共に、ゆったりと優雅で贅沢な時間を過ごすことができて感激。

ルヴァンルヴァンルヴァン外観と内装の写真を撮り忘れたが、どちらもとても素敵であり、是非立ち寄ってみることをお勧めします。

 

白鬚神社湖中大鳥居

白鬚神社は、近江最古の神社で約2000余年前に創建された。日本全国約300ヶ所に分霊された白鬚神社の総本社として知られている。御祭神の猿田彦命(さるたひこのみこと)は、困難な道を切り開く道先案内人で容姿は白髪で白い髭を蓄えた老人のお姿であり、社名の由来となっている延命長寿と幸福への導き・道開きの神様。

琵琶湖の中に浮かぶ鳥居は、「近江の厳島」とも呼ばれており、神々しくパワーを感じます。
境内には、与謝野鉄幹・晶子夫妻や紫式部の歌碑があります。

白髭神社午前中で逆光だったことが、むしろこの鳥居の美しい神秘的な佇まいを強調するかのよう。
昼頃になるとインスタ映えを狙ってか、多くの若者や外国人で賑わっていた。

おまけ(虹)

この日の天候は良くなかったものの、きれいな虹を見る事ができました。
写真では確認しずらいですが、それも、幸運になる、夢が叶う、願い事が叶う、祝福、という意味を持つ二重の虹(ダブルレインボー)。2020年が楽しみです。

マキノ町の虹

最後に

高島市は、発酵関連ではお酢やキムチなどの食材もまだまだあり、見どころ満載の街。
私見だが、この発酵の街の成り立ちは、鯖街道や塩街道の存在から考えると歴史的には近江商人が食材を京都へ届け地元で冬をしのぐこと、の理由で、豊かな自然を活用して発酵食品が盛んとなったものと思われます。
注目すべき点は、琵琶湖北西部は高度経済成長時代に流通や加工食品が発展した中でも、企業(工場)誘致等をせず現在でもなお自然の豊かさ守っており、発酵産業がコンパクトに集まっていることだと思う。

今では、この地に行くには大阪もしくは名古屋から車や電車で約2時間、この短時間の距離にこのような街が息ずいている。
多様な産業資源、貴重な歴史的・文化的資源もあり、知識欲が掻き立てられるこの文化を上手に守ってもらいたい、街全体が文化遺産だと強く思いました。

 

 

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