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【知る】お米について基礎から学ぶ

龍の瞳

お米について

日本人は、中華、洋食、等世界各国の料理を戴く豊かな食文化を持っていますが、やはり主食と言えばもちろんお米です。

パンやパスタも食べるけど、和定食に丼、とお米を食べる機会は多いでしょう。

その為、海外旅行等でお米を戴く機会がなかった時、炊きたてホクホクご飯、卵かけご飯、塩にぎり、等お米が無性に恋しくなることがあると思います。

日本人にとって主食であるお米は、身体の基礎をつくる重要な食材です。
だから、今回お米について基礎から学びたいと思います。

お米の語源、由来

お米の語源、由来には諸説あります。

  • 込める・籠める
  • こみ(小実)、こめ(小目)
  • 米(漢字の形態から)

込める・籠める

古来よりお米は日本人にとって非常に大切な穀物であり、今もなお様々な儀式や祭礼に使われています。

つまりお米とは何か神聖なもの・神秘的な力が「こめられた」存在であり、そこから転じて「こめ」と呼ばれるようになったという説。

こみ(小実)、こめ(小目)

小さな実であった身近な存在であったことから転じたという説。

米(漢字の形態から)

横向きになった稲の穂先を漢字に表現し、生産に八十八の手順と手間がかかるという大切さを示したことから転じたという説。

因みに、88歳の米寿祝いには、とても貴重で有難い意味が込められている。

お米とは

お米とは

お米は、トウモロコシ、小麦、と世界三大穀物の一つ。穀物は、種子を食用とする農作物で、栽培が容易であり栄養成分のバランスが良く備蓄もできるため、世界で最も主食とされています。

世界三大穀物

  • お米
  • トウモロコシ
  • 小麦

お米

お米は、アジア、ブラジル、アフリカの一部で主食とされており、世界人口の約半数が主食としています。

トウモロコシ

トウモロコシは、世界で最も多く生産されており、すり潰してトルティーヤやタコスにして中南米やアフリカの一部で主食とされています。生産量が多いのは、家畜の飼料としてもアメリカで大量に生産、輸出しているため。

小麦

小麦は、粒のままでは美味しくないため、小麦を挽いた小麦粉で、パンやパスタにして、ヨーロッパや北アメリカで主食とされています。世界ではお米に次いで主食としています。

稲によるお米の分類

世界で栽培されている米は1,000種類以上あると言われていますが、大きく稲で分類すると現在流通しているお米は主に3種となります。

  • ジャポニカ米
  • インディカ米
  • ジャバニカ米

ジャポニカ米

ジャポニカ米は、名前の通り主に日本、そして中国や韓国で栽培されているお米で、「日本型」とも呼ばれ日本でよく食べられています。

ジャポニカ米の形状は丸みを帯びた楕円形、特徴として加熱すると粘り気が出るので、炊いたり蒸したりして食べるのが一般的です。

生産量は、世界の米の生産量の約15%程度しかありません。

インディカ米

インディカ米は「インド型」「タイ米」「ジャスミンライス」とも呼ばれており、アジアの熱帯地方で栽培されています。

インディカ米の形状は、ジャポニカ米と比べて非常に細長い形状で、特徴として甘く香りたち、加熱しても粘り気は少なくパサパサしていますので、日本のように白飯で食べることは殆どなく、炊くか煮るか茹でて皿の上でスパイシーな食材と混ぜて食べることが多いです。

インドやパキスタンで「バスマティ」と言われる香り米は、高級米として知られているが、米粒がしっかりしており茹でて調理する。炒飯などお米を炒めた料理屋カレーとの相性は抜群であり、世界的にも消費量は多い。生産量は、世界の米の生産量の約80%程度を占めています。

ジャバニカ米

ジャバニカ米は「ジャワ型」とも呼ばれており、東南アジアやヨーロッパで栽培されています。

ジャバニカ米の形状は、大粒でジャポニカ米とインディカ米の中間にあたります。特徴として、あっさりした味で、加熱すると少し粘り気が出るので、パエリヤやリゾットに使われています。

インディカ米・ジャポニカ米と比べると、生産量は世界の米の生産量の5%弱と非常に少なく珍しいお米で、日本では殆ど栽培されていません。

お米の構造

お米の構造 籾殻お米の構造 玄米お米の構造 玄米お米の構造 白米

お米は、稲から脱穀された状態を籾といいます。
この籾は、胚乳といわれる芽や根の栄養分となる部分(白米として食べる柔らかい部分)を糠層が覆い、いちばん外側をもみ殻が覆っています。また、芽と根の元となる胚芽があります。

精米によるお米の種類

お米は精米方法によって以下の通り種類が数多くあり、それぞれに栄養成分、味、食感、と異なります。
お米は主食であるため、TOPと好みに合わせて食するといいと思いますが、それぞれの種類にメリットとデメリットがありますので、よく理解しておいた方が良いと思います。

  • 玄米
  • 発芽玄米
  • 分づき米
  • 胚芽米
  • 白米

玄米

稲からもみ殻だけを取り除いたお米、精白(ぬかと胚芽を除去)する前の状態。精白米と比較するとカロリーはほぼ同じだが、ビタミン、ミネラル、食物繊維、が豊富に含まれている。精白米に比べて玄米は、主たる違いを数値で見ると、抗酸化性作用(老化防止)のあるビタミンEは約1.5倍、糖質をエネルギーの変えるビタミンB1は約5倍、血行を良くし肌を健康に保つビタミンB3は約5倍、腸の運動を活発にする不溶性食物繊維は約6倍、ミネラルは含有物全て100%以上。

健康には良いとされる玄米ですが、デメリットは、白米に比べてボソボソとした食感になり消化に悪いため、よく咀嚼する必要があります。特に胃腸の弱い方は注意が必要です。また、残留農薬の80%相当がぬか部分にあるといわれることにも気を使う必要(有機栽培、自然栽培を選ぶ等)があります。

発芽玄米

玄米をわずかに発芽させ、栄養価の高い玄米をより食べやすくしたお米。発芽によって酵素が活性化し、ストレス軽減等の効果があるGABAが増え栄養素が身体に吸収されやすくなります。

分づき米

精米度合いを、3分、5分、7分、の割合で玄米の外皮(ぬか)を取り除いたお米。玄米と白米の「良いとこ取り」をしようとするお米です。

胚芽米

玄米から外皮(ぬか)は殆ど取り除いて胚芽が残るように精米したお米。

白米

玄米を精白(ぬかと胚芽を除去)したもの、胚乳のみ。栄養は劣りますが、炊飯が速く手間が少なく美味しく消化が良く体内への栄養吸収率が高いので、胃腸に負担なく効率的といえます。デメリットは、ミネラル分や食物繊維をおかず等で補う必要があることです。

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