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乳酸菌

【連載:乳酸菌の話(3)】人間の腸の中はどうなってるの?

私たちが、毎日お腹がすいて何気なく食事をする、それは人間の生命活動に必要な栄養分を摂取する大切なことです。

同時に、ついつい忘れがちな大切なことは、人間の身体は自分が食べた物で構成されているということです。

私たちは食事をして排泄します。その行為は、歯で細かく砕いた食物は、食道を通り胃で消化、腸で栄養を吸収する等、多くの臓器がそれぞれの役目を果たすという、人間の生きていく為に必要なシステムなのです。

腸は、食物から不要(危険)な物質を取り除き必要な栄養を吸収して排泄する重要な役割を担っています

1)脳腸相関

腸は「第二の脳」と呼ばれています。

その理由は、腸が大脳に匹敵するほどの独自の神経ネットワークを持っており、腸単独で独立して活動でき、また脳と双方向で情報交換をして密接に影響しあう関係であるからです。

つまり、脳腸相関とは、人間にとり重要な器官である脳の機能と腸の状態がお互いに影響を及ぼす関係であるということです。例えば、腐ったものを食べて嘔吐したり下痢になったりすることは腸が危機感を独自で判断した結果であり、その後、脳に腸内環境変化のメッセージが伝達され不安やストレスもなります。他には、極度の緊張等で脳がストレスを感じると、お腹が痛くなったり下痢や便秘になったりすることは、脳が自律神経を介して腸にストレスの刺激を伝えるからです。

そもそも生物は腸が発達して脳が作られ進化した経緯があり、腸ははあるものの脳を持たない生物がいるのはその為です。

最近では、腸内の常在菌も脳の機能に影響を及ぼす、ことが研究されており「脳-腸-微生物相関」という言葉も提唱されています。 つまり、腸は他の臓器には見られない特徴があります。原始生物に腸はあるが脳の無い生物が存在します。それは生物の進化の過程で脳が腸からはじまったことを裏付けており、人間にとって腸内環境は如何に重要かが理解できます

 

2)小腸

小腸は,胃から大腸に続く部分の長い腸管であり、十二指腸,空腸,回腸に分けられます。

  • 長さ:約6〜7m
  • 役割:消化と吸収が行われる場所
    ・消化、壁の腸腺から分泌される腸液のほか,十二指腸に肝臓,膵臓から運ばれる胆汁,膵液などの消化液によって,飲食物の消化を最終的に行います
    ・吸収、多数の粘膜のひだ(輪状ひだ)や無数の小突起(小腸絨毛)が発達、分解産物は拡大した表面積の小腸粘膜を通して血管やリンパ管に効率的に吸収されます。
  • 役割時間:約2~4時間ほどで食物の消化・吸収を終えます

3)大腸

大腸は、消化管のうち小腸と肛門(こうもん)との間の太い腸の部分で、盲腸・結腸・直腸に分けられます。

  • 長さ:約1.0m~1.5m
  • 役割:腸内細菌による発酵や水分の吸収などが行われる場所
    小腸から送られた食べ物の残りカスから水分を吸収、神経細胞の働きで内容物の固さを判断して、うんちとして排便するのに適した形にします。 この機能が正常に作用しないと便秘や下痢になってしまいます。
  • 役割時間:約24時間かけてウンチの製造と排泄作業を行なう

4)腸内の環境

人間の腸内には、なんと300種類以上、数にして100兆個以上の細菌が生きているといわれています。
特に腸内は、常在菌(人間の体に存在する細菌で、病原性を示さないもの)が腸内フローラと呼ばれる腸内細菌叢を形成しています。
<叢は草むらを意味し、フローラは菌がお花畑のように色とりどりに見えるので>

腸内細菌は、食べ物のかすを分解、代謝産物(乳酸・酢酸)として血液を通して全身に運ぶ大事な役割を担っています。また、栄養摂取や外来菌の防御に役立つ細菌がある一方、発癌や感染症をもたらす細菌もあります。

因みに、腸内フローラは生後10ヶ月で決まり、生涯変わらず、指紋と同じで、世界中で自分と同じ腸内フローラを持っている人は一人もいません。

※2010年3月16日ロイター通信によると、人それぞれ固有に持つ細菌を犯罪捜査に活用できる可能性があると米国の研究チームが発表、現在70%から90%の確率で細菌保有者を特定できるそうです。

この腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類することができ、腸内で一緒に暮らしています

善玉菌と悪玉菌と日和見菌について

  • 善玉菌は、私たちの健康を維持するために役立ってくれています。
  • 悪玉菌は、その反対に健康を阻害してしまう影響を及ぼします。
  • 日和見菌は、善玉菌・悪玉菌の勢力が優勢な方につきます。

善玉菌と悪玉菌は、決して腸内で平和共存しているわけではありません
腸内細菌が生息できる場所には制限があり、腸内には既に空き場所が無く、共に、機会があればすぐに勢力を拡大、違う種類の善玉菌同士や、悪玉菌同士が戦っています。

善玉菌と悪玉菌はそんな中で種類ごとに密集し、縄張りを隙間なく作っています。
こうして善玉菌が増えると悪玉菌は減り、悪玉菌が増えると善玉菌は減るという構図となっています。

)腸内バランスの重要性

腸内の善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合は、通常おおよそ2:1:7

悪玉菌が勢力を伸ばし日和見菌が活動させないためにも、やはり善玉菌が大事。
但し、善玉菌・悪玉菌においては、善玉菌の中にも悪い働きをする菌があり、悪玉菌の中にもいい働きをするものがあり、単純に善玉菌が増えればいいというものでなく善悪が分けられずバランスが大切という研究結果があります。

日々の健康を維持したり、病気を予防したりするためには、善玉菌が優勢になるように腸内バランスを整えておくことが重要です。

老化、感染症、肥満、がん、高血圧、糖尿病、等は、腸内環境が影響すると考えられています。 そのため、健康に役立つ腸内環境とは腸内細菌の多様性が重要であり、人間は食べ物で細菌を育種していることから、多様性のある食べ物をバランスよく食べることが大切なのです。

)腸内の最適pH値について

弱酸性の腸内は腸内善玉菌が最も発育しやすい環境です。

腸内の善玉菌は腸の中で糖を分解して乳酸と酢酸を1:1の割合で作りだします。 乳酸と酢酸が生じるというのは、腸内のpHが酸性に傾くと言う事です。

酸性に傾いた腸内は、例えばお寿司や酢じめにして保存するように、腸内の酸が悪玉菌の成長、活動を抑制します。これにより、善玉菌が悪玉菌よりも優位に立てる腸内環境を保っています。すばらしいメカニズムですね。

では、健康な大人の腸内pHはどのぐらいでしょうか?

健康な大人の便はpH5.5~6.0で、黄土色をしています。pHの値は0に近いほど酸性度が高く、pHの値が17に近いほどアルカリ度は大きいのです。理想的なpHの値は4.5~ 5.5が理想的な環境です。
(【酸性】pH 0~7←【中性】→pH 7~14【アルカリ性】)

十二指腸を除き、小腸はpHが5~6.5の弱酸性に保たれる必要があるが、最近では空腸(十二指腸から続く小腸の上部)や回腸(小腸の下部で大腸に続く部分)でもpHが7以上になることが多くなっています。

人間の体は、pH 7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています
血液などの体液はpH 7.4前後の弱アルカリ性ですが、皮膚や髪の毛は、細菌やカビから守るためpH 5.5~6.5の弱酸性です。

胃は、通常pH 5以下ですが、食物が入ってくるとpH 1.5くらいの強酸になります。この強い酸で食物を溶かし、細菌を殺しているのです。
小腸はpH 5~6.5大腸はpH 5~6の弱酸性に保たれています

腸は、食物の栄養分を吸収する上で、胃酸でも殺されずに残った悪い細菌や、あらたに繁殖した細菌などに備えるため、弱酸性に保っているのです。

 

 

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