食彩アドコム

食材の話

【連載:お米の話(3)】お米の炊き方のこと

龍の瞳

お米を炊くということ

お米の素晴らしいところの一つは、お釜にお米と水を入れ、炊くだけで美味しく食べられるということです。これが、小麦では、粉にして練って発酵させ、窯で焼くという作業を経なければなりません。

お米の味がとても美味しく、炊飯したご飯を味わうという民族は、日本、韓国ぐらいでしょう。ご飯の味に関しては、日本は世界で最高であることは言を待ちません。諸外国では、ご飯そのものに味付けして食べるということが多いので、ご飯そのものの味には関心が薄いのです。

したがって、ご飯をいかに美味しく炊くのかということに腐心している民族も日本人だけと言っても過言ではないのです。韓国でも中国でも、炊飯時の水計りは本当に適当であると現地の人に聞きました。

炊飯器の出現

土器や竈を用いて火で炊くのが常だったお米ですが、炊飯器という優れものができてからというもの、主婦の炊飯にかかる労力が相当に少なくなりました。そしてここ数年は、美味しく炊けるお釜競争が激化しています。キーワードは、「羽釜のように炊けるご飯」です。

お米の浸漬について

ご飯を美味しく炊くコツである、お米の吸水性が追及されています。

もともと美味しいお米は吸水性がとても良いので、各種のお米を浸漬なしで同時に炊いた場合は、最も早く炊きあがるのが、一番美味しいお米なのです。

お米をあらかじめ吸水させて冷やして置き、すぐに炊くことが出来るようにする方法が「ざる上げ」です。

白米の水分は、14.5%程度です。ご飯の水分は60%。炊飯には、お米の重量の1.1~1.2倍の水が必要とされています。

夏と冬とでは水温が違いますので、吸水の時間も当然異なります。浸漬温度5度では2時間弱で、また25度では60分で浸漬が完了します。ちなみに、吸水が完了した時の水分量は30%です。

水加減について

炊飯には水加減が非常に重要です。水を吸い過ぎると膨張するので、美味しいお米は特に、味が薄くなってしまいます。水が少ないと、十分な糊化ができないので、美味しくありません。

水加減は炊飯器の目盛りで測る場合と、お米と水の重量で決める場合があります。コシヒカリなどの小粒なお米は、一合で150g程度です(龍の瞳の場合は、大粒であるために145gしかありません。これは米粒に隙間が多いことに由来しています)。

美味しいお米の場合は特に、炊飯器の目盛りで測る場合は、均平な台などに炊飯器を置く必要があります。均平な場所は意外に少なく、デパートなどで試食炊飯するときには、炊飯器の内釜を回しながら正しい位置を調整しています。

お米を炊く前のこだわり

お米は最初に水につけた時に水をたくさん吸い込みます。だから、最初はミネラルウォーターを入れてお米を研いでくださいと言われているのです。よく言われているのは、最初はミネラルウォーター、次は水道水、最後の水は直接お米に吸収されることからミネラルウォーターとするのが合理的です。

竹炭を入れると、遠赤外線効果でふっくら感が増しますし、炭に含まれているミネラル分の補給、多孔体であることから水道水の不純物吸着という効果もあるようです。

なお、寒天、サラダ油などが市販の炊いたご飯に添加されているようですが、寒天は保水層を、サラダ油は油層を作り、冷めてもぱさぱさせずにしっとりしたもちもち感が長続きするからです。

お米の美味しさについて

お米の美味しさを機械で計測できるすぐれものが「食味計」。タンパク質、アミロース、水分、脂肪酸の4種類の要素を加味して食味値85などと数値化しています。

これに対して、人が実際に食べてみて美味しさを評価することを「官能試験」と言います。

最近は、食味計と官能試験の数値同士の相関が完璧ではない為に、昔ほどは食味計の数値に拘らなくなっているようです。

食味計の中で最も重要視される数値が、タンパク質です。

炊飯が始まり、お米には外部から熱が伝わります。お米の中に含まれているタンパク質が熱に反応して固まります。1~2%という微妙な差でも、ふっくら感を阻害するのではないかと考えられます。

炊飯器で炊いたお釜の中で、一番ご飯が美味しいところはどこでしょうか?

それはお釜の周りの上部だと言われています。お釜の下部は、圧力によりふっくら感がありません。対して、上部は対流により粘り成分、旨味が集まってきます。

ご飯が炊きあがると、しゃもじで上部と下部をひっくり返して混ぜるのは、味を均一にする意味もあるのです。

最後に、龍の瞳は

お米の美味しさの計測について、株式会社龍の瞳では、毎年、「食味計」と「官能試験」を比較検討して測っています。

「このBlogは、(株)龍の瞳代表取締役今井隆社長様の著述を引用しており、(株)龍の瞳と発行元より許可を得て掲載しています」